大津・中2自殺:女性教諭重傷で
今になって被害届、の理由
大津市の中学2年の男子生徒をいじめたとされる同級生3人のうち1人が今年5月、
担任の女性教諭の小指に重傷を負わせたとされる問題で、
学校が滋賀県警に被害届を提出する方針を固めたことが19日、
学校関係者への取材で分かった。(毎日新聞記事より)
大津・中2自殺:女性教諭重傷で被害届
…批判受け校長方針(毎日新聞)
今さら、しかも、自らの判断でなく、
この期に及んでも、《圧力》によってやむなく被害届を
出すことに至った、という学校。
教育者たちが自ら何を考え、どう生徒達に向き合ったのか、
そのことがまったく見えてこない気がするけれど、
当該地域の保護者や生徒たちは日々、どんな気持かと思う。
この夏休み明けにも、
自殺で子どもをなくされたご両親に、
死の翌日、《不慮の事故》にしてもらえないか、と
打診した校長があったと報道で知って驚いたけれども、
自らの保身、教育委員会への報告をしぶっての対応を
これほどあからさまに見せられると、
全国すべての教育委員会がどのようにこのいじめ問題を取り扱おうとしているのか、
独立機関に調査してもらうべきではないかとすら思えてくる。
劣悪な環境にこどもたちが置かれているとわかった市町村については、
是正されるべきと思うからだ。
いや、そもそもの教育委員会の意義や構成員のなりたちから
抜本的に考え直すべきなのかもしれないと思う。
私は担任教諭が女性であったことを今になって知った。
教諭の男女の区別が問題の軽重を左右するとは思いたくないけれど、
問題が起こっていた当時、ちゃんとサポート体制が整っていたのかと思う。
でも、しょせん、私が考えることは《火の粉のかからない》距離にいるからこそ、
という指摘もあるだろうし、私自身、忸怩たる思いでもある。
毎日新聞の大津支局の記者が反省をこめた記事を書かれているので、
ご一読いただければと思う。
この事件の一連の報道を見ていると、本当にとても大きな岐路に位置すると思う。
日々、いろいろな重大なニュースにまぎれさせ、うやむやにしては大きな禍根を残すと思う。
記者の目:大津・中2自殺
=加藤明子(大津支局)(毎日新聞)