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中田秀夫【Lという生身の人間・・・】2008-01-14

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中田監督のインタビューに読み取るLの姿・・・
それと青山草太さんのブログにも更新記事があります。
(2008-01-14付記事を再掲載しています)


中田秀夫監督
【Lという生身の人間・・・】
   2008-01-14


シネマスクエアに 中田監督のインタビューが載っています。
8月から10月にかけて、日本、タイと撮影があり、
まるで映画を2本撮ったみたいだったと。
今までそのことはすっと流してたのですけれど、
じっくり、自分の身に置き換えて考えてみるとたいへんなことですね。
まず、集中力が切れそうになるではないですか。
国内ロケで慣れてはいらっしゃるんでしょうけど、
タイ時間って日本と違って、ゆったりと流れそうだから、
想い通りに事が運んだのかな・・いらいらされただろうなって。

撮影前に松山くんが緊張で逃げ出したかったということで、
中田監督はそれがまっとうな感覚だと想うし、非常に好ましい
ところだと言ってらっしゃいます。
撮影前に逃げ出したい→非常に好ましい・・
ではその反対だと 撮影はさくさく行くだろうと考えること?
なめてかかるなってことなんでしょうかね。
でもって松山くんはとても真摯に、緊張をもって待ったんだと?

(中田)残りわずかな時間でも変わっていくひとはいるという、
そこを見て欲しいとおもったんです・・

ここはやっぱり強烈ですよね。監督の言葉。漠然と自分のいのちが
短いことをしる、病気のかたもいるでしょう。
そのかたがたは、だけではなくわれわれもそうなのですが、
自らの命の終わりをどう迎えるのか、どう納得するのか、
それだけにとらわれてしまうと思います。

だけどLはそうじゃなかった・・・
自分の命が惜しいなんて、みじんも想わなかったにちがいありません
彼は聡明です
もう、取り返しのつかない、決定したことには
連綿と固執する人間ではないと、彼の名誉のために思いたいです

だからこそ、中田監督は、
≪あきらめられない命のためにだけ、
自らの心身を痛めつけても向かってゆくLの姿≫を
描きたかったのだと想うのです

(中田)Lだからこう描いちゃいけないっていうのは、考えたくなかった。

そのわずかな時間の中でも≪死≫を考えるのではなく
あらゆる可能性、それがどんなに小さな確率で、
今までのLであったなら削除したであろうデータでも
Lは望みを捨てなかった・・世界の切り札と言われた人間が
確率ではなく、祈りにも似た、希望にかけた、
その希望のためにいのちを燃焼させた・・・
このことが、中田監督と松山くんが冗談めかして言う、
≪教育映画なんだ≫という想いにつながるのではないかと想います

(中田)松山くんはLだったらこういう言い回しをするとか、こういう
行動をとるとかいうディテールを知的に追求すると同時に、
採り憑かれ型の俳優でもあるんですね。撮影していてそこが面白かった
んですけど、肉体的にハードな撮影を続ける中で一瞬、Lの苦しい
表情の下から「松山ケンイチ」の姿がウワっと出てくるカットがある
んですよ。どことはいいませんけども(笑)ひょっとしたら、
キャラクターとしては完全なLではないのかもしれないけれど、
その場面が僕はすごく好きですね。

(中田)デスノートのLだって、行動はしてるんですけど、
今回は自分からどんどん会いに行って相手と対峙しなければ、
事件は解決しないというのもあります。肉体を駆使しないと
愛する人、そして世界を守れないんですね。だから前作までの
虚構性によるカタルシスというよりは、もっと生身の、
現実の世界で起こりうる話にはしたつもり。
その中でLがどう動くかを見たかったというか。

松山くんがこだわり続けた、完璧なLの姿。
そのLに松山くんが投影されたというのなら、それはもう
Lが松山くんを引きずり込んだとしか考えられません・・
苦しさの中でLが縋れるのはもうワタリではなかったのですから。
ファンタジーと笑うなかれ、
Lが愛されたと実感できたのは、
とりもなおさず松山くんではないですか。
Lだったらこうはしない、ここでお菓子をつまむ、Lの言葉としては・・
そうやって守ってくれた松山くんだから、
苦しいときにもLは松山くんを頼みとしたのです・・・。

Lがワタリを否定したのか・・
私にはわかりません 
しかし、ワタリがLの身の安全を常に考え
Lが傷つかずに世界に貢献してゆけるように計らっていたことは
Lだって何よりも感謝していたと想うのです
イニシアシブを取る様に見えて実はワタリは
分業を担っていたのではないかと そう考えます
相棒だったんです ね、ワトソン君・・いえ、ワタリ

自分から動くから世界は変わる
世界(現実)を知るから自分が変わる・・・・・
なんと希望にみちた言葉でしょう

愛する人たちが苦しむのを実際に自分の目で見て
愛する人たちの平穏を見届けて
Lはワタリとふたりで歩んできたことを
正しかったことだと
胸を張ったにちがいありません
逝ってのちも、ワタリがちゃんと自分の成長を
見守ってくれたのだとこころから思えたのではないでしょうか

中田監督、ありがとうございます
Lが世界を知り、
世界に希望の種をまいたこと、
Lを誇りと尊敬をもって最後まで見守れること
監督のおかげです

Lを誇りに思います・・・・





青山草太さんのブログで例の≪松田刑事のスピンオフ≫について
いろいろ面白いことが取り上げられています。ぜひ一度、
お読みになってください。

青山草太さんのブログはここ








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