米政府、シリア情勢にらみ
軍事介入へ詰めを急ぐ!?
(CNN) 反体制派に対する武力鎮圧が続くシリア情勢に関連し、米政府高官は1日までに、オバマ米大統領の作戦発動の命令に備え国防総省が軍事介入のための「詳細な計画」を作成したことを明らかにした。
過去数週間行ってきた軍事手段の広範囲な選択肢の初期的な分析を踏まえたものとなっている。詳細な計画では、各選択肢ごとの作戦の運用方法、投入する将官の数や部隊、装備品、兵器の種類の見通しも盛り込んでいる。
オバマ大統領が特定の作戦開始を指示した場合、計画の細部の調整をさらに進め部隊などの派兵を命令する段階に進むことになる。複数の政府高官はCNNに対し、オバマ政権はシリアへの人道支援での軍の活用方法についても検討しているとも述べた。
ただ、国防総省内ではシリア国内の暴力が続く限り米軍部隊を投入しても大きな問題に直面し続けるとの見方が広まっている。同省高官は軍事介入のための多数のアイデアが出ているがいずれも大規模な空輸が必要とも指摘。また、シリアのような微妙な地域情勢にある国への軍投入は政治的、軍事的に困難との考えも示した。
シリア情勢に対する米政府の現在の対応はアサド大統領の退陣要求を含む外交、政治手段が軸となっている。ただ、これらの方法では打開出来ない手詰まり状態に直面してもいる。軍事手段の行使に踏み切らない限り、米国の現在の選択肢は衛星を使ってのシリア部隊の動向を探るなどの措置に限られている。
一方、国防総省内ではシリアが保管する化学兵器が国内の騒乱の影響で無防備状態になりかねないとの懸念も強まっている。これら兵器の保管施設を警護する場合、数万人規模の兵士が必要になるとの見方も出ている。
(CNNニュース)
エジプトではムバラク政権崩壊を受けた大統領選挙が、
5月下旬に行われるそうです。
国際選挙監視団などがエジプト入りすることもないようで、
スムーズに新体制が発足しそうなのはほっとします。
一方、シリアは民主化運動が激化して1年をむかえる今、
市民が無差別に攻撃されるなど悲劇的な状況が続いています。
国連でシリア当局による暴力停止を求める決議がロシアや中国により
否決されたせいで、アサド政権の無抵抗の市民への暴力は
国際社会が傍観しているにも等しいと思っていたのですが、
アメリカが民主化運動勢力への武器供与を模索しているというのは
先般お伝えしたとおりです。
が、ここに来て、より一層能動的というか主体的にというか、
関わろうとしているアメリカの姿が報じられました。
できればアメリカが介入する前に、アサド政権側が民主化運動側と
交渉のテーブルに着くのが平和的とは思うのですが。
(これ以上の双方の犠牲者を出さないためにも)
ここにきて前国連総長のアナン氏が関係各国と話し合うために、
中東入りするそうです。
アナン氏は調停プロセスを1つにしなければならないということを、
全員が受け入れることが非常に重要、という内容のことを述べ、
民主化運動側にも早期解決のための譲歩を求めているように思えます。
また、アナン氏は声をそろえることができれば、国際社会の声は強くなるとも
述べられています。
軍事介入をちらつかせる前に、
あるいはアメリカの軍事介入をちらつかせるからこそ?
アナン氏のご尽力が実を結ぶことを切に祈りたいです。