疲れたあなたにはとても優しい詩を朗読してあげたいです。
無理しなくっていいですからね。がまんしなくていいですからね・・。
(2007-10-03付再掲載しています)
≪花のたましい≫
散ったお花のたましいは、
み仏さまの花ぞのに、
ひとつ残らずうまれるの。
だって、お花はやさしくて、
おてんとさまが呼ぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
蝶々にあまい蜜をやり、
人にゃ匂いをみなくれて、
風がおいでとよぶときに、
やはりすなおについてゆき、
なきがらさえも、ままごとの
御飯になってくれるから。
≪見えないもの≫
ねんねした間になにがある。
うすももいろの花ひらが、
お床の上に降り積もり、
お目々さませば、ふと消える。
誰もみたものないけれど、
誰がうそだといいましょう。
まばたきするまに何がある。
白い天馬が翅のべて、
白羽の矢よりもまだ早く、
青いお空をすぎてゆく。
誰もみたものないけれど、
誰がうそだといえましょう。
≪空と海≫
春の空はひかる、
絹のよにひかる、
なんでなんでひかる。
なかのお星が透くからよ。
春の海はひかる、
貝のよにひかる、
なんでなんでひかる。
なかに真珠があるからよ。


何を隠そう、金子みすゞの詩です。
ゆったりと時には詩の海に
たゆたいましょう。