Lと花沢類の物語。設定自体無理なかたは入室をご遠慮ください。
ごめんなさいね。2008年1月8日付け記事を再掲載しています。
だって冬なんですもん、シーズンなんですもん(笑)
類くん、寒いです。
私の手をひっぱって、玄関まで出て。
それから、類くんは、はいと手袋を渡すんです。
まだ雪は止んでいなくて。
音もなくひらひらと舞い降りてくるのに。
とってもうれしそうな顔。
まっしろな世界に私の手をひいて。
「うう、寒いですぅ」
「雪うさぎみたいだね、L」
私の白いPコートのフードを
目深にかぶせてくれました。
「だから寒いですぅ・・」
類くん、あなた、前世は犬ですね。
ランランしちゃって。
でもひとの話、聞いてます?
「さーむーいーでーすぅーー!!」
「雪合戦って知ってる?」
「知ってますけどやりません」
私、玄関ポーチの支柱にしがみついたまま。
ぜったいに離れませんから。
「ね、L、遊ぼ? この雪じゃ
どこにも出てゆけないよ」
「だから庭ですか?やだ、信じられないです。
そういう発想・・」
類くん、ひっぱるなってば。
うわ、雪に降りちゃいました。
ブーツなんですよ?
すぐに冷たくなりますよ。
「ほら、誰も足跡つけてない」
「当たり前です。うちの庭ですもん」
類くんてば、私の話、聞こえないみたいです。
「こら、L。腰を下ろすな。ほら、たって。
そうっと歩いて」
「わん、滑ります。だから長靴、
もってないんですってば」
類くんのアルバイトがお休みだから、
暖炉の前で寝そべっていたかったのにい。
しゃがむもん、絶対立ち上がらないもん。
なのに、類くん、私が座ってんのに、
そのまま引っ張るの、やめなさい。
「えーーん、寒いです。
お腹もすきました。
暖炉で串刺しマシュマロ焼きたいです」
きゃははって、花沢類、あなた、鬼畜でしょ。
「ほら、ほらL。振り返ってみ?
ずずって引っ張った跡、ソリの轍みたいだ」
「見たくない。見ませんもん」
膝抱えて、お尻がつかないようにして座って、
そいでアルマジロみたいに丸まってやる。
凍えちゃいますよ、私。
庭は秋に空き地を一部、テニスコートにしたので、
花や木をふんづける心配はないんですけど。
あの馬鹿、ひとりで雪だるまを作りはじめました。
「な、一緒につくろうよ。作ったことないだろ?」
「ありませんよ、悪かったですね」
うーーん、背中に雪が積もっているような気がします。
「L、こら」
類くんの紺色のダッフルコート、もう白いじゃないですか!
「来いーー」
わー、ずずずってしつこい。
「ほら、このちっちゃな雪玉をごろんごろんって転がして」
「息が白いですよ、花沢類」
「あはは、そうだね」
あはは、そうだねですって。
私、こんなことして遊べる知能レベルじゃないんです。
「立てって!」
ちょっといらってきた類くんにきゅんってきました。
いつもわがまま放題の私なので、たまに類くんがいらって
すると、どきんとしちゃうんです。
でも寒いもん。
「わん、滑るーー」
バランス崩して倒れそうになるところを、
類くんが抱きとめてくれました。
「セーフ」
頭痛いです、まるで体育会系のノリじゃないですか。
いやですよ、私、マッチョ系の脳内ってやです。
「こんどさ、いつ積もるかわかんないんだ。
そのとき、こうやって遊べるかどうか、わかんないよ。
君か僕が忙しかったりすると雪のしあわせが
わかんなくなるから」
「雪の・・しあわせですか?」
「そう。こんなにまっしろで汚れていないものを
一緒に観ていられるなんて、幸せだと思わない?
別々にじゃなくて、一緒にだよ」
あ、ちょっとだけ、こころが動いたかもしれません。
雪だるまの腕は暖炉の薪、目はみかんです。
雪だるまにはバケツがすこし大きくて、
ややもするとヘルメットに見えますよ。
PCの背景にしようって、写真をたくさん撮りました。
もちろん、類くんのは私がUPになるようにしないと。
類くん、そのときだけフードを脱がせるんですから、
どれほど私に夢中なんでしょう?
無理もないです、私、うんと可愛いですから。
「L・・ほんと、スノーホワイトだね、君」
きゃ。
「りんごもらっても食べちゃだめだよ」
わわ、どうしましょう。
「いろんなひとがキスしにくるから」
もっと言って、類くん!
「雪のなかにりんご埋めたらどれくらいもつのかな」
がっくし。
「ね、ちょっと寝っころがってみて」
って言いながら、押し倒してるじゃないですか。
もう、どうにでもしてください、開き直りました。
雪だるま、作ってたせいでからだも寒くないです。
雪のうえに転がって、手をつないで、
落ちてくる雪を眺めました。
灰色の空のどこから、この雪が届くんでしょう。
類くんは本当にロマンティストさんですね。
「こんなこと・・したかったんだ」
「女の子とですか?」
「うん・・・そうだよね。いつか恋人と・・」
そう言うと、類くんは私のからだに屈みこんで、
ちいさなキスをくれました。
いつもより、雪のぶんだけ、ちょっとかたいキス。
それから、ゆっくりと慈しむように。
キスが好きって言って、も一度。
「きっと感動するんだろうなって思ってた」
手袋のうえから私の手をぎゅって握ってくれました。
音がありません。とっても静かです。
「しあわせだな。君とこうしていられて・・」
空を見たまま、類くんがゆっくりとつぶやきました。
「もう何もいらないよ・・・」
柱からひっぺがしてでも、こうやって寝転がって、
そんな言葉を私に言いたかったのですか。
鼻のおくがきゅんと痛くなりました。
やばいです。とってもやばいです。だから・・
「類くん・・おしっこ」
きゃはっはーって類くんが笑いました。
私の頭をフードごと、ぐんぐんって揺さぶりました。
怖いんですもん、だって。
類くんがそんなことをしみじみ言うの、
怖いんです。
たいせつな気持ちは口にしたら、
そこで終わってしまいそうで。
だから類くん、言ってはだめです。
「じゃ、家にはいろう。
あつーーいお風呂に入りたいな。
それからホットでウイスキー」
「だめ、却下ですよ。ココアですもん」
類くんの腕につかまって、
私が倒れないように。
甘えてますか。
でもいいんです、安心なんです。
べたっとくっついているんです。
だって私、
かわいいゆきうさぎなんですもん。
ごめんなさいね。2008年1月8日付け記事を再掲載しています。
だって冬なんですもん、シーズンなんですもん(笑)
類くん、寒いです。
私の手をひっぱって、玄関まで出て。
それから、類くんは、はいと手袋を渡すんです。
まだ雪は止んでいなくて。
音もなくひらひらと舞い降りてくるのに。
とってもうれしそうな顔。
まっしろな世界に私の手をひいて。
「うう、寒いですぅ」
「雪うさぎみたいだね、L」
私の白いPコートのフードを
目深にかぶせてくれました。
「だから寒いですぅ・・」
類くん、あなた、前世は犬ですね。
ランランしちゃって。
でもひとの話、聞いてます?
「さーむーいーでーすぅーー!!」
「雪合戦って知ってる?」
「知ってますけどやりません」
私、玄関ポーチの支柱にしがみついたまま。
ぜったいに離れませんから。
「ね、L、遊ぼ? この雪じゃ
どこにも出てゆけないよ」
「だから庭ですか?やだ、信じられないです。
そういう発想・・」
類くん、ひっぱるなってば。
うわ、雪に降りちゃいました。
ブーツなんですよ?
すぐに冷たくなりますよ。
「ほら、誰も足跡つけてない」
「当たり前です。うちの庭ですもん」
類くんてば、私の話、聞こえないみたいです。
「こら、L。腰を下ろすな。ほら、たって。
そうっと歩いて」
「わん、滑ります。だから長靴、
もってないんですってば」
類くんのアルバイトがお休みだから、
暖炉の前で寝そべっていたかったのにい。
しゃがむもん、絶対立ち上がらないもん。
なのに、類くん、私が座ってんのに、
そのまま引っ張るの、やめなさい。
「えーーん、寒いです。
お腹もすきました。
暖炉で串刺しマシュマロ焼きたいです」
きゃははって、花沢類、あなた、鬼畜でしょ。
「ほら、ほらL。振り返ってみ?
ずずって引っ張った跡、ソリの轍みたいだ」
「見たくない。見ませんもん」
膝抱えて、お尻がつかないようにして座って、
そいでアルマジロみたいに丸まってやる。
凍えちゃいますよ、私。
庭は秋に空き地を一部、テニスコートにしたので、
花や木をふんづける心配はないんですけど。
あの馬鹿、ひとりで雪だるまを作りはじめました。
「な、一緒につくろうよ。作ったことないだろ?」
「ありませんよ、悪かったですね」
うーーん、背中に雪が積もっているような気がします。
「L、こら」
類くんの紺色のダッフルコート、もう白いじゃないですか!
「来いーー」
わー、ずずずってしつこい。
「ほら、このちっちゃな雪玉をごろんごろんって転がして」
「息が白いですよ、花沢類」
「あはは、そうだね」
あはは、そうだねですって。
私、こんなことして遊べる知能レベルじゃないんです。
「立てって!」
ちょっといらってきた類くんにきゅんってきました。
いつもわがまま放題の私なので、たまに類くんがいらって
すると、どきんとしちゃうんです。
でも寒いもん。
「わん、滑るーー」
バランス崩して倒れそうになるところを、
類くんが抱きとめてくれました。
「セーフ」
頭痛いです、まるで体育会系のノリじゃないですか。
いやですよ、私、マッチョ系の脳内ってやです。
「こんどさ、いつ積もるかわかんないんだ。
そのとき、こうやって遊べるかどうか、わかんないよ。
君か僕が忙しかったりすると雪のしあわせが
わかんなくなるから」
「雪の・・しあわせですか?」
「そう。こんなにまっしろで汚れていないものを
一緒に観ていられるなんて、幸せだと思わない?
別々にじゃなくて、一緒にだよ」
あ、ちょっとだけ、こころが動いたかもしれません。
雪だるまの腕は暖炉の薪、目はみかんです。
雪だるまにはバケツがすこし大きくて、
ややもするとヘルメットに見えますよ。
PCの背景にしようって、写真をたくさん撮りました。
もちろん、類くんのは私がUPになるようにしないと。
類くん、そのときだけフードを脱がせるんですから、
どれほど私に夢中なんでしょう?
無理もないです、私、うんと可愛いですから。
「L・・ほんと、スノーホワイトだね、君」
きゃ。
「りんごもらっても食べちゃだめだよ」
わわ、どうしましょう。
「いろんなひとがキスしにくるから」
もっと言って、類くん!
「雪のなかにりんご埋めたらどれくらいもつのかな」
がっくし。
「ね、ちょっと寝っころがってみて」
って言いながら、押し倒してるじゃないですか。
もう、どうにでもしてください、開き直りました。
雪だるま、作ってたせいでからだも寒くないです。
雪のうえに転がって、手をつないで、
落ちてくる雪を眺めました。
灰色の空のどこから、この雪が届くんでしょう。
類くんは本当にロマンティストさんですね。
「こんなこと・・したかったんだ」
「女の子とですか?」
「うん・・・そうだよね。いつか恋人と・・」
そう言うと、類くんは私のからだに屈みこんで、
ちいさなキスをくれました。
いつもより、雪のぶんだけ、ちょっとかたいキス。
それから、ゆっくりと慈しむように。
キスが好きって言って、も一度。
「きっと感動するんだろうなって思ってた」
手袋のうえから私の手をぎゅって握ってくれました。
音がありません。とっても静かです。
「しあわせだな。君とこうしていられて・・」
空を見たまま、類くんがゆっくりとつぶやきました。
「もう何もいらないよ・・・」
柱からひっぺがしてでも、こうやって寝転がって、
そんな言葉を私に言いたかったのですか。
鼻のおくがきゅんと痛くなりました。
やばいです。とってもやばいです。だから・・
「類くん・・おしっこ」
きゃはっはーって類くんが笑いました。
私の頭をフードごと、ぐんぐんって揺さぶりました。
怖いんですもん、だって。
類くんがそんなことをしみじみ言うの、
怖いんです。
たいせつな気持ちは口にしたら、
そこで終わってしまいそうで。
だから類くん、言ってはだめです。
「じゃ、家にはいろう。
あつーーいお風呂に入りたいな。
それからホットでウイスキー」
「だめ、却下ですよ。ココアですもん」
類くんの腕につかまって、
私が倒れないように。
甘えてますか。
でもいいんです、安心なんです。
べたっとくっついているんです。
だって私、
かわいいゆきうさぎなんですもん。