無防備なのであった。
突然、宅配業者からメールが届いた。
住所が不正確で届けられない。って、はあ?
宅配業者は佐川急配、となっていて、
下記のURLをクリックしてください、とあった。
何も考えずにクリックした。
すると、
《アクセスが集中しております。
しばらく時間を置いてください。
なお、配達完了済みの場合は行き違いです。
悪しからずご了承ください》というような内容の表示。
それだけ。
あとは真っ白。
気になるではないですか。
朝の8時のメールですよ。
早く連絡つけたいと思うし。
だから、30分ごとくらいに3回はクリックした。
でも画面は真っ白、のまま。
なので、いったんメールをPCに転送して、
違う媒体からURLに飛べないかと、トライしてみた。
無駄だった。
メール便とのことで何度かポストを覗きに行った。
何を頼んだっけ?
いや、私から誰かに何かを送ったっけ?
こういうところがアバウトなので、
えーっと予約しているものはあったか?どうだった?
などと考えているうちに、夜になった。
あのURLにアクセスしてなにかの行動を起こしてないとなれば、
またちがったアプローチをしてくるだろうなあ。
と考えて怖くなった。
私は何をしているんだ?
佐川急配とは書かれていたが、
もしも悪徳業者がその名前を騙り、
ワンクリックしたらどこぞにつながっていたのではないか。
画面は真っ白だけど、どこかに実はつながっていて、
課金されているのではないか。
私ったら、ご丁寧にもPCにもメールを転送させているではないか?
どうしよう、
変なところから巨額の請求書が届いたら、と
自分の無防備、不注意を呪ったのであった。
というのも、最近、わけわかんないメールが怒涛のように届いているから。
あれって、いくらメルアドを変えても、
どこかで情報が流出していたら、防ぎようがないですもんね。
と諦め顔になっている今日この頃の出来事なので。
あーー、どうしよう。とびくついているうちに、
私は思い出したのであった。
先週水曜日、Raphaelの2000年武道館公演のDVDを頼んだことに!
そしてそのDVDが金曜日の午前中にはすでに届いていたことに!
思わず、送られてきた紙包みを確認した、佐川さんだった!
えーーー、あれからもう3日たっているではないか!
行き違いにもほどがある!と一件落着の安堵のためいきをついたのだった。
だが、待てよ。
一連の私の動作。
危なすぎる、と反省したのであった。
たしかに佐川さんだったけど、(荷物が到着してたからね)
それがいつも正しい佐川さんとはかぎらない。
私はなんと無警戒に指示されるままにクリックしたんだろう。
思い込み、の恐ろしさだと気付いたのはその後だった。
メールで何の証拠もないのに、ただ書かれている固有名詞の有名さに疑問を抱かないのは、
電話をかけてきて息子を名乗る詐欺と変わらないじゃないか。
あっけなく罠にかかりそうな自分にぞっとしたのだった。
(無意識に自分の知っている運送会社に違いないと期待しているわけですよね)
メールに限らず、
こういうことは起こりがちなのではないかと、
焦ってしまった私なのであった。
それにしてもネットワーク時代に、3日前のデータが反映されるってどうなの?
配達したら、そういう問い合わせをキャンセルしとけよ、
とも思ってしまった私なのであった。