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Channel: Lに捧げるちいさな図書館
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待ち合わせてシネマ≪ぜったいL〜♪≫ 211 2009-08-15

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Lと花沢類の物語。2次創作です、BL要素を含んでいます。
嗜好外のかたは閲覧をご遠慮ください。
★★★MママさんからLたんの絵をいただきました。
夏らしいな。Lたん、気持ちいい?なんか、泣ける。(;゚;艸;゚;) 
Mママさん、いつも可愛いLをありがとうございます。
(2009-08-15付再掲載です)

待ち合わせてシネマ
   ≪ぜったいL〜♪≫ 211
      2009-08-15    


駅すぐ近くの四つ角。
待ち合わせ時間まであと少しなんですけど、
僕の隣には大柄の女子1名。
高等部にいた時のクラスメートの友達。
2,3度顔をあわせたことがある。
いや、1度でも覚えてるでしょ、
180センチもあれば。
名前は覚えてない。
「花沢類ー!」って声かけられちゃった。
ゴスロリっぽい、黒のレースのワンピース、
迫力ありすぎなんですけど。
ブティックとカフェが一緒になってて、
かわいいお花も置いてるのって、にたりとも
しないで言う。そう、そういうひと。
モデル事務所辞めて、つなぎでこんなこと
やってるのと薔薇の花とカード渡された。
「話ばかりしてていいの?薔薇がしおれるよ」
「いいの。こんな店、誰も来やしないわ、ふん」
ふん。だって。
「お茶しない?」
なっがい、かたまったまつげをぱちぱちするんだけど、
「時間ないんだ、せっかくだけど」
「待ち合わせ?」
「まあ」
カフェの前なんだけど、店の中だと、
Lをすぐに見つけられないからさ。
Lも困るだろうし。
「じゃ、中で待とう。窓ぎわに座れば平気」って、
ぐいぐい引っ張られた。
薔薇の入ったかごもって、このひとは。

やばいんだよね、ぜったい。
Lがさ、ぱって見たときに、一瞬何かを思うわけだし。
一生女の子とお茶しないってわけじゃないけど。
彼女、腰をおろすなり、マルボロに火をつけた。
くさいんだよ、煙が。自覚ないだろうけど。
「学校辞めたんだったよね、たしか」
「そーなの。しいちゃんに聞いた?」
「たぶん・・」
でもしーちゃんって、しーちゃん、・・忘れたかも。
気もそぞろってやつです、僕。
窓の外、眺めてるし、ずっと。
「噂聞いたよ、私」
「えー、何の?」
とぼけるに限る。最近は僕に関する噂って言えば、
Lと僕のことに決まってるから。
隠すつもりないけど、宣伝もしないんです。
「よろしくやってんじゃん」
そうなのか。よろしくやってるのか、ふうん。
運ばれてきた珈琲に口をつけもしないで、
両肘をついて、身を乗り出す。
「女はだめ?」
煙草をくわえて、目を細めて言う。
「私、男みたいって言われるよ。貧乳なので」
「あはは・・」
しらっとした顔で言うなよ、バカ。
「口説いてる?」
「フツーそうでしょ、貧乳とかまで言ってんのに」
「意味不明。ちょと、待ってよ」
「何待つんですか?」

うげ、える・ろーらいと。
みづいろの半そでカッターシャツ、紺色のタイ。
グレーのベストに紺のクロップドパンツ。
新しいネクタイ買うために、
わざわざこういう格好してきたんだね。
でも、あはは、ギムナジウムって感じだな。
「あら、この子?」
値踏みしなくていいから、Lを。
Lは無表情に立ってるし。こええ。
「今、そこで会ったから。高等部の知り合い」
「こうとうぶ・・頭の後ろのことで御知り合いですか」
「はは、あの、高校なの。クラスメートの女の子の友達」
「花沢類・・ねえ、この子なの?」
「はい」
はい、だって僕。
Lのために椅子をひいてやる。
突っ立ったままだし、無表情だし、
なんかなんかこの女子に勘違いされそうだよ。
かわいそうみたいな目線で見るなよ、僕らふたりを。
「お綺麗ですね」
Lも言ってくれるね。まあ、美人ではあるけど。
「まあね」
すぱーって煙吐いて。
「あ、チョコガナッシュ添えパッションフルーツパフェトリプルください」
綺麗な手をひらひらさせて、店員をよびつけると、
女の子をとろけさすだろうかすかな微笑つきで、Lが言った。
ほら、店員さん、すっごい笑顔。
あ、でも、パフェ3人前、ですか?
マルボロの煙にLがちょっとむせた。
「少年、煙草だめ?」
「私ですか?いえ、大丈夫です」
「よかった。立ってんじゃん、バイトで。吸えないからさ」
「お気遣い、痛み入ります」
それきり、女子はLをじいってガン見してるし。
Lはいくら見られても全然平気で、負けない。
女子が目をそらした、あはは。
「花沢類、背広似合うね。ぴかぴかって感じ」
「そう?」
「いいこと言いますね。私もそう思います」
でもそれって褒め言葉じゃないよ、ふたりとも。
会社説明会、不発だったから、なんか刺さるなあ。
弱気じゃいけないんだけどね、僕、相当始動遅いし。
お、巨大パフェ到着なので、
Lがすっごく可愛い笑顔になった。
「花沢類・・あんたさあ」
「なに?」
「露骨」
「え?」
「その目線、ベッドのなかだけにして」
「うるさいよ」
だって、可愛いくてしょうがないんだ。
「暮らしてるんだって?聞いたよ」
「うん・・。もう2年かな」
「うっそお、信じられない」
マルボロの火を灰皿でごしごし消した。
「持つんだね、ゲイでも」
「ゲイじゃないよ」
「寝るくせに、なに言ってんの」
そりゃさ、寝るけど、
男が好きってわけじゃない。
Lだけだもん。
でも、説明するの、やめた。
関係ないだろ、Lと僕がどうだろうと。
Lはマンゴーだの、イチゴだのを
無心で食べてるんだけど。
「ねえ、この子、超綺麗だけどちょっとやばい系?」
「意味わかんない」
「花沢類ってなんでもありって気がするもん。
優しいからさ。私だって親切にしてもらったよ」
「そうなんだ?」
「わーひどい。覚えてないんだ!むかつく。
ねえ、少年。花沢類って変わってるよね」
「そうですか? 変態は入ってますけど」
「ばか、なんてことを」
「わー昂奮する」
それからまだ何か言い募ろうとしたんだけど、
窓の外で黒レースワンピの、
明らかにサイズをひとつ大きいのにしたほうが
無難に思える女子が何か叫んでた。
「あ、やだ、みつかったわ。嗅覚するどいの、ブスなのに」
薔薇のかごを、っこいしょ、と抱えて女子が立ち上がった。
「ごきげんよう。コイズミキョウコさん」
スプーンいっぱいに盛り上げた生クリームを舐めてから、
Lが無表情に手を振った。
「やだ、なんで私の名前・・」
そうか、思い出した、150センチすこししかない、
女優の小泉今日子さんとちがって、巨大な小泉今日子と
からかわれていたんだった。
小泉キョウコはガラスの靴ではなくて、
マルボロの箱と銀のライターを忘れて行った。
もっともそれに気付いたのは僕らが店を出るときだったけど。

「ねえ、なんであいつの名前知ってんの?」
「調べました」
口の周りを生クリームとチョコで汚してるL。
「調べるって今会ったばかりでしょ?」
「ええ、外から見ました」
「だからどうやって?」
「私、探偵ですよ。忘れました?
企業秘密です。個人ですけど」
「今さらだけど怖いなあ」
「怖いんですか」
「冗談だよ」
Lの髪をなでる。
パフェはそろそろ完食だよ、すごい。
Lがスプーンをくちびるでもてあそぶ。
「やばい系ってなんですか」
「知らないよ。あいつのカテゴリーだろ」
たぶん、Lが壊れてるとか、あるいは
ちょっとお勉強が苦手な子に見えたんじゃないのかな。
それがやばいのかどうかは知らないけど。
正体を知ったらどう言うだろう。
「花沢類はゲイじゃないんですね。
私はどうなんですか?」
「当然ゲイじゃないだろ」
「そうなんですか」
Lは首を傾げて、僕をじっと見ている。
「他の人と試してみましょうか」
「ばか」
Lは笑った。そうだよね、アレは
自分から望んだことじゃないからね。
君が笑って言うのが嬉しい。
「映画はやめにしますか」
「ごめん。もう間に合わない?
ネクタイ買うんだよね。どっちにする?」
「映画がいいです!!」
Lが目を輝かせて言った、ただし
口の周りは汚したままで。

最初の頃、ホラー映画は僕にくっついて観てたよね。
でも、可愛い方がいいと思って。と、
後から言われたときはショックだったもんだ。
そう、君は残酷な映像とか写真とか、見慣れていたんだもの。
騙されたよ、見事に。
あああーーー、僕の嫌いなホラー映画。
しかも、これ、君のもってるDVDじゃん。
「大画面だと迫力ありますよ。わくわくです」

「あ、無理しないでしがみついていいですよ、花沢類」

「おしっこもらさないでくださいね」

「あと、49分で終了です」

やだもー・・・。





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