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≪グアンタナモ、僕達が見た真実≫(2007-11-28)

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松山くんがコメントを出しています。
(2007-11-28付記事を再掲載しています)

≪グアンタナモ、
   僕達が見た真実≫

■解説■(斉藤博昭)

タイトルの「グアンタナモ」とは、
キューバ東部で、米軍基地が置かれている敷地。
アフガニスタン侵攻後に捕らえられた
テロリスト容疑者たちが送り込まれ、
取り調べを受ける場所である。
本作は、テロリストと勘違いされて
グアンタナモに送られた青年たちの運命を、
モデルとなった本人のインタビュー映像も交えて
再現した、いわゆる「ドキュ・ドラマ」だ。
イギリスに住むパキスタン人青年が、
母親が見つけた相手と結婚するため、
式を祝う2名の友人を伴ってパキスタンへ向かう。
隣国アフガニスタンの状況を知った彼らは、
何か援助活動をできればという軽い気持ちで
アフガンに入ったところ、身柄を拘束されてしまうのだ。
無実であるにもかかわらず、
イギリスに潜伏していたテロリストと勘違いされる過程が、
背筋も凍るリアル描写で展開。
米軍側の虐待は、肉体的拷問はもちろん、
大音響の密室に監禁し、イスラム教の信者にとって
命より大切なコーランを捨てるなど、
ショックを通り越していく。
演じる新人俳優たちのまっすぐな表情と、
モデル当人たちの淡々とした回想の相乗効果も、
悲劇性を際立たせる。
この映画が描くことすべてが真実であるなら、
世界は本当に恐ろしい状況に
陥っていることを実感するだろう。
どんなニュース映像にも負けない、
「映画」としてのパワーが、ここにある。
             

松山くんがこの映画に寄せたコメント
僕達は何も知ってはいない。
知っているのは全てではない。
全てを知る事は無理かもしれない。
でも知ろうとする気持ちは常に持っていたい。
この作品で知って欲しい。
僕達はある一方の視点に偏っている事を。
そして、白黒つけられるものなんて殆どない事を。




何の予備知識もないままに
映画を観始めた。
何が起こっているのか、
全く理解できなかった。

そう、そうやって4人の若者も
常軌を逸する運命の中に
無理やり投げ込まれたのだ。

理不尽な暴力を、屈辱を与えられ、
どんな主張も受け入れられず、
ただ絶対に屈しないというところに
自分の正気を保ち続ける彼ら・・

時折経過説明に本人達の画像と話が
はまされる

ブッシュ大統領や
ラムズフェルド元官房長官の
涼しげな顔から
繰り返される、捏造された事実

繰り返し尋問に訪れる、
味方側の人間による陥穽(おとしあな)
その絶望たるや
推測することも許されぬほどの、
暗闇であり、奈落であることだろう

暴力を知るために
暴力をもって感性に訴えるのは
原初的な誤りかもしれないが
グループ(勢力)による暴力は
われわれの想像力をはるかに超えて、余りある

松山くんの戦争や平和に関する発言の
根っこにはたぶんこの映画のことも
入っているのだろうと思う

一度ご覧になることをつよくお奨めしたい

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