2015赤穂義士祭!!
若丸座長の出番が急遽2回に変更へ
若友のMさんと一緒に《赤穂義士祭》に行ってきました。
さまざまなことに胸を熱くする日帰りの旅となりました。
若ちゃんのアスファルトの上での全力のお芝居と殺陣、感動しました!!!
湯迫の初日に若ちゃんが、骨折やアキレス腱断裂回避のために、
出番を1回にしてもらったと聞いていたので、
いったんはMさんと大手門前まで行ったのですが、幾重にもなった人だかりでめげました。
もし、あったかいからと若ちゃんがこちらでも出演していたとしても、
観客も本部席のほうに移動するかもしれない、そうなったら人ごみで間に合わないかもしれないと
断念して、本部席裏で若ちゃんの到着を待つことにしました。
1時間ちかく日陰で(暑かったのです!)待っていたら若ちゃん到着。
めっちゃかっこいい袴姿で、え、ひょっとして出演してきた?って感じだったので、
Mさんとふたりで問い詰めちゃいました。すみません。
「ひょっとして出演してきたんですか? あったかかったから?1回しか出ないって言ったじゃないですか!」
などと。
若ちゃん、穏やかに笑いつつ、「急にね、いろいろあって、出演することになって」
「えーえーえー」(まるでテスト聞いてなかったのにしたな、の中学生のノリ)
「きょうは中指と薬指冷たくないですよね」(初日、挨拶で冷え切って元に戻らないと若ちゃんが言ってた)
「カイロ入れてるから大丈夫」←足袋のなかに入れるのかぁ。学習能力さすが(笑)
てなことで、若ちゃん、着替えにテントに入りました。
浅黒いドーランで、頬がきゅっとしまってて、写真より相当やせてる感じですよ。
あの鬘のせいで、ちょっとゆったりした感じに見えるのかなあ。
スタンド席の最上段通路から眺めていたんですが、
テントから出てきて討ち入り装束に着替えていた若ちゃん、
剣会の方と話ししてるかと思うと、ほどなく、
両手で殺陣の動作を確認するようにずっと練習されてました。
でもぴりぴりした感じじゃないのはさすがだなー、かっこよかったです。
再び、スタンド席の最上段から「若ちゃん、がんばってー!」と叫んだら、
「がんばるよー!」そして「ドキドキしてるー!」と胸元押さえてました。
大舞台ですもんね、路上ですけど。
今回は舞台とはちがって、赤穂市の大イベントなので、画像貼らせていただきますね。


本番の画像。流れがへんてこになりますけど、ランダムに貼らせてください。








(峯さん)




若ちゃんが演じたのは不破数右衛門という、四十七士のひとり。
浅野氏家臣のひとりだったのですが、主君の不興を買って刃傷事件の数年前に浪人となって、
江戸に出ていたのだそうです。
でも主人をうらまず、のちに大石内蔵助の計らいによって、義盟に加わったのだそうです。
義士の中で、浪人から帰参を許されたのは数右衛門ただ一人であるとか。
相当短気というか、一直線みたいな気質のひとだったようで、
お芝居でも若ちゃんがはやる気持ちを抑えられずに行動するさまが描かれていました。
「手柄を立てたいのではない。吉良を討ち取りたいのだ」みたいな内容のセリフを
身内の志士にむかって激高して言うせりふに想いがすごく出ていました!
そういう、気持ちがおさえられない息子が思い切り働けるようにと、
心残りのないよう母親が自害した、との峯さん演じる大石内蔵助のことば。
短い時間でも不破数右衛門のひととなりが現れるような演技はさすが!
若ちゃんは誰よりも縦横無尽に走り回り、殺陣を披露していました。
史実によると、この数右衛門がつかった刀の刃はぼろぼろになっていたそうで、
相当の働きをしたそうです。
私はこの志士のことを恥ずかしながらまったく知らず、
母君のエピソードだけで胸が痛くなってしまったのでした。
母君の覚悟と息子を送り出す思い。
時代がちがうと、気持ちとは異なる言葉で送り出さねばならないんだなあ、
息子を送り出すなんてできない、とMさんと、観劇のあと大石神社へ参拝にむかう道すがら、話しました。
帰宅後、若ちゃんが演じた人物がどのような方であったのか、調べてみて、
ああ、若ちゃんが演じた、あの勢いのある動き、不破数右衛門そのものだった!!!と知りました。
お芝居と殺陣の披露の前に紹介があったのですけど、
「都若丸さん」とアナウンスが合った瞬間に、
スタンド席から、向かいの道路際から、「若ちゃーん!!!」と大声援。
Mさんは隣の方に「誰ですか?」なんて聞かれていた様子。
「日本一の名座長、都若丸だよっ!」(笑)
お芝居のあいだもハンチョ飛び交っておりました^^
お芝居終わって、そこで衝撃の報告!
前夜祭で峯さんと舞台挨拶をなさった木下さんが倒れられて、
AEDや心臓マッサージのかいなく、帰らぬひととなられたのです!
ああ! それで若ちゃん、出番が急遽、2度に増えたんだ!と納得。
笑顔で謝ってくれてた若ちゃんに申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
あったかいから出ようか、なんてことじゃなかったんだ、
出れなくなってしまった木下さんの代わりに出られたんだ!
前日から、暖かい予想のできた祭り当日をみんなで楽しみにされていたでしょうに、
なんという大きな悲しみ!
それをみじんもみせずに、明るい笑顔で応対してくれた若ちゃんの胸のうちを思うと、
いたたまれない気持ちになりました。
本番後、テントのところでは気さくに、いつものように、
ファンサービスで写真におさまる若ちゃんの姿がありました。
役者って、役者さんって、なんて過酷なお仕事なんだろう、って思いました。
若ちゃんが「ありがとうございました」と何度もいろんな方に頭をさげ、
鬘のケースと刀を手に、マイクロバスの方に歩いてゆかれました。
若ちゃん、お疲れさまでした!!!そして、文句を言ってすねて、すみませんでした!
実は本番前、汗をかいてる若ちゃんのために、と、
Mさんと自販機を探して走りまわったんですけど、見つけられなかったんですよ。
肝心要のミックスジュースかなわず、残念。ってとこだったんですけど、
まわりはコップの甘酒だらけでしたからね。
酔わせちゃいけない、暑いのにあっつい甘酒はあかんやろ、って感じで。
来年はジュース用意しようかなと思いつつ、用意していったら、きっと寒波到来やろうな、
思ってました。
そういう大きな悲しみのなかに若ちゃんらがいるとはしらず(涙)
せっかく赤穂市まで来たのだから、と、
Mさんと花岳寺、赤穂城跡、大石神社とまわりました。
大石神社では四十七士の彫像が参拝路の両側に並んでいて、
47人のリアリティを感じて、
何かひとこと言うと涙がとまらなくなりそうで、こらえていました。
大石神社は《大願成就》をかなえる神社としても有名だそうです。
歴史のことをほんとうに知らない私ですけど、
若ちゃんが出演の祭りのおかげで、いろいろ教わることが多かったように思います。
屋台で食べた広島焼き、そこのおばちゃん、Mさんと私が座って食べれるところまで
探してつれてってくれたり、
赤穂駅では、地元の方がそろいの法被でお見送りしてくださったりで、
こころにじいんとくるような、ひとのあったかさに感動した旅でもありました。
来年は是非、若ちゃんの応援に、もっとたくさんの方が赤穂を訪れられますように、と思います。
前もって、骨折やアキレス腱断裂の回避のために出番を1回にしてもらった若ちゃんが、
木下さんが出たくても出られなかった本番にちゃんと備えることができた、
その不思議な運命的なめぐりあわせを思いました。
木下さん、ご無念だったことと思います。
でも、私はこの目で見れなかったけど、若ちゃん、代役を立派につとめられたことでしょう。
きっと誰より木下さんが大満足しておられたでしょうね。
木下さんのご冥福をこころからお祈りしています。
長々お読みくださってありがとうございました。
間違った点、至らぬ点がございましたら、お許しくださいませ。