スタッフブログ最終回を再読してみました。
書いているのは蒲郡風太郎を演じた松山ケンイチさんでした。
(既出:2009-11-28 )
《銭ゲバ》
スタッフブログ最終回再読
2009-11-28
銭ゲバに関わる全ての皆様へ
蒲郡風太郎役、松山ケンイチです。
銭ゲバ、いかがでしたでしょうか?
実は僕は撮影中、一度も銭ゲバを観ていませんでした。
理由は役に僕の個人的な感情を入れない為、
僕自身の役に対して一人よがりのつじつま合わせや修正を避ける為に、
完成された作品はクランクアップするまで観ていませんでした。
だから僕はBBSで皆さんの意見を読んでいました。
皆様それぞれ様々な感情や考え、想いをぶつけてくれていました。
僕達はそこから沢山の事を学び、ヒントを得て、
それぞれやり終えて反省は沢山ありますが、
撮影中最後までぬかりなくやったと思っています。
視聴者の皆様のおかげで、最高の作品になったと心から思っています。
まだ終わった実感はありませんが、僕自身今この文章を
部屋でぼーっとしながら書いていますがこれも素晴らしい日常。
僕はぼーっと出来る幸せ者です。
この作品に出会い、
この作品を通して最高のキャストの皆様、最高のスタッフの皆様と出会い、
そしてこの作品を支え続けてくれた視聴者の皆様。
全てに感謝します。
どれか一つでも欠けていたら、きっとこの作品は成立しなかったと思います。
本当に充実した3ヶ月間でした。
銭ゲバに関わる全ての皆様、本当にお疲れ様でした。
そしてありがとうございました。
松山ケンイチ
2009年03月14日 (土)
(スタッフブログより)
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(以下、1月21日付ブログ記事より)
ドラマはとまっていないんだなあと思う。
始まったら、好評であれ、不評であれ、
ゴール目指して、
粛々と作品を作り続けなきゃならない。
ドラマは過酷だと思う。
好評であれば、次へのプレッシャーがのしかかり、
不評であれば、総力を結集して、
失地回復を目指さなければならないだろう。
好評でも、目安とされる数字に届かなければ、
暗澹たる思いを抱かざるを得ないだろう、
こんなに良いドラマなのに、
みんなもこんなに良いドラマと言ってくれるのに、
なぜまだ積み上げなければならないんだ?
映画だったら、すべてが終わったあと、
わくわくしながら、はらはらしながら、
観客動員の報を待つのだろう
だけど
ドラマは生き物なのだ
良いときも悪いときも担わなければならない
みんなで
だけど誰が・・・・
主役は弱音をはけないし、文句をいえないし、
具合が悪かろうと平気な顔をしていなきゃならない、
今、その主役の器のひとがどれだけいるかは知らないが・・・
1月19日のスタッフブログ、
河野プロデューサーは記している・・・
>夜、毎度の事ながら寒かったです。
>で、毎度の事ながら思うのが風太郎、薄着でゴメン、ということ。
>絶対、かなり寒いのに、「寒い」とさえ言わない風太郎。
>スタッフは完全防備でブクブクなのに、それでも寒いのに、
>寒さを見せない風太郎。
ああああーー、あの天然な、不遜なところがみじんもない、
松山ケンイチの表現者としての気概と自尊心と探究心・・・
番組宣伝の笑顔からは想像もできない、
もうひとつの顔。
スタッフは孤高の彼を頼りに動くのだろう。
決して投げ出さず、文句を言わず、
小学生の賞賛にテレる純朴な彼のもと、
ひとつとなって、動くのだろう。
みんなが言っている、
「松山ケンイチが出るものは信頼できるね」
松山ケンイチが消えて、
役が立っても、
やっぱりその役を支えるのは、
松山ケンイチという、優れた表現者への信頼なのだ。
彼はドラマを精一杯生きるだろう、
彼に寄せられた信頼を裏切らないために、
金に愛と真実と幸福をもとめた風太郎を十全に生きて、
風太郎の、風太郎だからこその魅力を
我々に見せ付けるだろう
だから我々は土曜日を待ち焦がれるのだ
彼がこの瞬間にも寒さを疲労をこらえて
頑張っている風太郎を
焦がれて恐れて待ちわびるのだ・・・
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私たちはなんと幸せな3ヶ月を過ごしたのでしょうね。
はらはらしながら、風太郎が堕落してゆくさまを、
歯軋りし、ぽろぽろ泣き、体調をくずしても、
よりそいました。
でも、こんなに素晴らしいドラマに
現在進行形で観客として
そばにいさせてもらえて、
幸せでした。
今年はいろいろあったけど、
あの充実した3ヶ月間、
松山さんにありがとうと言いたいですね。