大衆演劇探検隊?! 11劇団目《劇団 美山》
里美たかし&こうた両座長の花魁!
今月初めての観劇は梅田・呉服座にて、劇団美山でした。
先月は若丸劇団を8回も見て、喪失感はんぱなかったのですが、
今日は里美たかし&こうた両座長のお芝居と花魁、見てきました。
若ちゃんとはまた違う、劇団の魅力、感じましたよ。
《劇団美山》、歴史ある劇団なんですね。1903年に旗揚げしたそうです!
劇団名は途中で変わっているのですが、《美山》という名前は、
里美たかし座長の故お父上が藤山寛美さんから戴いたお名前なのだそうです。
そしてたかし座長は3歳で初舞台、学業で舞台を離れ、小学校を卒業して12歳で座長襲名されたのだとか!
帰ってから調べたので、いろんな先入観なしに見れたのはかえってよかったかも(笑)
まず、写真貼りますね。

里美たかし座長

里美こうた座長(なんて素敵なセブンティーン!)

里美京馬さん












開演前にアクシデントがありまして、
天井から《歌舞伎幕》(永谷園幕:笑)に水がしたたってるんですよ。
劇団員と呉服座のスタッフが必死と掃除されていましたけど、
開演時間がずれこみました。
職場の同僚と一緒に観劇したんですけど、ふたりで、《水じゃないとあの幕、たいへん!》などと、
寄贈者の南條隆座長(スーパー兄弟)にひやひや← 事なきを得た模様ですが(よかった^^)
お芝居は外題「おさん茂兵衛 冥土の道行き」・・あの名作です。
今回はすこしアレンジがしてあって、原作の、茂兵衛が夜這いした相手が女中ではなくて御寮さんだった、
というのではなくて、あくまでふたりは清らかな仲、純愛を通す、という設定でした。
店の主人が女癖が悪く、女中にまで手を出そうとするので、おさんと茂兵衛がそれぞれ、
女中に代わって寝所にはいり、主人が来たら説教してやろうと算段し、鉢合わせ。
そこに主人が帰ってきて、不義密通と誤解されるという流れ。
主人を里美祐樹さんが演じられました。
(裕樹さん、舞踊の時、客席から声がかかると、「はいよ」とか、いちいち返答して大柄な方なのに可愛かった^^)
まるで身売りするようにして輿入れしたおさんは故郷をめざし、茂兵衛と落ち延びます。
故郷の母親と涙の再会を果たすのですが、母親が茂兵衛に持たせてやったお金を懐に、
ふたりは雪の中、自害して果てるのでした・・、
とても見ごたえのある、非のうちどころのないお芝居でした!
こうた座長のおさん、一点の曇りもない女性!完璧です。
17歳でどうやってあの色気が出るんでしょう。溜息でました。いじらしくて、高貴で、かわいそうで。
そして、里美たかし座長は端正で、シリアスなお芝居にすこし笑いもちりばめられていましたよ。
芝居の本筋を壊さない、その匙加減は絶妙でした!
呉服座のせり舞台をうまく使われて、道行場面では白装束と赤い襦袢、二人をつなぐ赤い帯、
そして舞い落ちる雪のアクセントが素晴らしかったです。
3段になったせり舞台は鉄骨のままですけど、違和感がなくて、心中するふたりが際立って美しかったですよ。
こうた座長の女形のお芝居、また見たいなあと思いました。
このおふたりのコンビで、いろんな悲恋を演じられるの、素晴らしいでしょうね。
舞踊ショーでも、やはりせり舞台を効果的に使われたり、
とにかく、照明にこだわり抜いた演出だなあと思いました。
床からの照明も目いっぱい、呉服座の仕掛けは全部、使い倒すって感じでした(笑)
斎藤和義さんとか宇多田ヒカルさんとかBIGINとか、ほかにもいっぱい、
最近の曲が多くて、そうなると、舞踊を見ながら、「この曲だれのだっけ、この曲名は」というのが
頭のなかでぐるぐる、気になっちゃって^^演歌のBGMとしての素晴らしさを思いました(笑)
こうた座長は笑顔いっぱいの女形が愛らしかったです。
たかし座長も若い頃(今も若い、松ケンとため年の29歳!)、女形が評判だったそうですが、
こうた座長もいつか、たち役で凛々しく男らしく、かっこよくなるのかな。
今はちょうど羽生選手みたいな優美な感じなんですよね。まだ華奢な少年が出る、というか。
ふたり揃っての花魁姿はゴージャスでした。
花魁って、本当に大衆演劇の《華》ですねー。
送りだしも花魁のままだったから、その心意気に拍手したいです。
ほんっと、花魁の衣装といい、かつらといい、重そうでたいへんですよね。
(もっとも、送り出しに並ばず、帰ってきちゃったのですが←残念)
この日はこうた若座長のお姉さんの誕生日(12月31日)を前倒しでお祝いしようということで、
お姉さんもソロで舞われました。
こうた座長は「おねえ!」「おねえ!」とお姉さんをしかりつけたり呼びつけたり、だそうで、
姉弟が兄妹になったりとややこしいそうです、劇団内での立場の違いから。
なるほど、こうた座長、お礼をのべるお姉さんの姿を心配そうに見守ってました。
たかし座長も京馬さんもどこかエキゾチックで、
BIGINの沖縄の唄で京馬さんが舞われると、
この劇団にはぴったり、という感じでした。
私が大好きな都若丸劇団は和風のなかの和風、って感じだから、
劇団の雰囲気がとっても新鮮。
やっぱり、贔屓の劇団があっても、よその、素敵な劇団も見るべきだなーと思いました。
いろんな花がそれぞれ美しくて、その優劣をつけられないと同じかな(ありゃ、スマップさんの歌だよ:笑)
1月(は若丸劇団が京都に来るので、そっちが忙しいけど、)
呉服座には有名な橘劇団が来るので見たいし、
2月は剣戟はる駒座が来るので楽しみです。
梅田という地の利があるからこそ、特に1月は仕事帰りに見れないか、チャレンジしたいと思います!
16日は新開地で関西の名だたる劇団の座長大会!
大衆演劇の奥の深さと伝統を堪能できそうです。
親戚親子関係のある座長さんたちのなかで、
大好きな若丸座長はただひとりの参加。
若ちゃん、頑張ってー!の気持ちで観に行きます。
席、取れたのが奇跡的。感謝して声援飛ばしてきます!
長々とお付き合いくださいまして、ありがとうございました。