オウム死刑囚
証人尋問の背景
>オウム真理教の平田信被告の裁判で、東京地方裁判所は、教団元幹部の3人の死刑囚に対する証人尋問を
行うことを決めました。 死刑囚に対する証人尋問は裁判員裁判では初めてですが、尋問を公開するかどうかで
検察と弁護団の意見が大きく対立しています。 (NHKニュース)
日々、さまざまな事件や事故、災害が起こり、
ついつい、過去のニュースは忘れてしまいがちです。
平田信容疑者の逮捕は衝撃でしたが、
その後どうなったのかまで、
注視しているというわけではありませんでした。
で、新聞をきちんと読んでいれば、
続報を目にすることもあったのだろうけれど、
お手軽ネットですましてしまうぐうたら人間なので、
ネットで目にするまで気付かなかったという。
世のなかはきちんと動いているんだ、という思い。
>この結果、再び刑事裁判が始まることになりました。
しかし、以前起訴された被告の裁判はすべて終わっていて、特に一連の事件で被告と行動を共にした
幹部の多くは死刑判決が確定しています。
平田被告の刑事裁判は、ことし中に裁判員裁判で始まる見通しで、一般から選ばれた市民が審理するため、
できるだけ証人から直接話を聞くことが必要になります。
このため、東京地方裁判所は、地下鉄サリン事件などで死刑が確定した井上嘉浩死刑囚ら死刑囚3人を
証人尋問することを決めたのです。
死刑囚の証人尋問は極めて異例で、裁判員裁判では初めてです。
この、死刑囚の証人尋問に関して、今、問題になっている点を要約すれば、
もし公開で尋問するとするなら、
★面会もごく限られている、死刑が確定した人間の精神状態
★裁判所への移送の警備の問題
などがあり、
そして、もし非公開で尋問するというのなら、
★裁判の公開は憲法で保障されているのだから違憲だ、ということだそうです。
たしかに、世間の目から隔絶された、
かつての「諜報省」と呼ばれた組織のトップ、井上嘉浩死刑囚などは、
法廷で、一連の事件に関して、今まで語らなかったことを語るのではないかと、
サリン事件の遺族からも期待が高まっているそうです。
公開か、非公開か。
どちらにせよ、尋問は行われるようです。
全容解明には必要かもしれませんが、
死刑囚尋問、ということには被害者、遺族とは立場が違うので、
かなりショックを受けました。
私が気になるのは、裁判員裁判であるという点もです。
つまり、一般市民が裁判員として裁判に加わることで、
そのひとたちのケアは大丈夫なのかということです。
今まででも、裁判員裁判をつとめられた方のなかには
凄惨な事件現場の写真であるとか、事件詳細を聞くことであるとか、
そういうことによってトラウマを抱えることになったひとも多いそうです。
生半可な気持ちで判決をくだす一員になれるはずもなく、あらゆる時間を割いて、
勉強しなければならないでしょう。
こんな裁判に関わることになってしまうとしたら、
どんなことがあっても裁判員を引き受けたくはないです、個人的には。
その裁判に一生を捧げてしまうくらいの覚悟がいると思いませんか。
オウムが引き起こした膨大な事件と被害者のことを、
あらためて詳細に見聞きしなければならない、
そして死刑囚と対峙しなければならない裁判員の負担は
誰がどう軽減してくれるというのでしょうか。
公開、非公開も含めて、
死刑囚尋問ということがもたらす裁判員への影響も考えて欲しい、
そう思わせるニュースでした。
オウム死刑囚 証人尋問の背景は
(NHKニュース)