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まろうさぎさんの 《清盛ファイナルパーティーレポ4》(第3部)

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まろうさぎさんの
《清盛ファイナルパーティーレポ4》(第3部)



まろうさぎさんの 《清盛ファイナルパーティーレポ》、神レポはまだまだ続きます。
このレポ、一晩で成し遂げられたんですよ。まだ、レポは続きがあるんです。
これってさあ、デスノートのジェバンニの能力を超えていると思わない、L?
 ・・と思わず、Lに聞きたくなりますよ、まじに。
(ニアに聞かないの?という突っ込みは却下:笑)
まろうさぎさん、土下座して、三歩さがって、影踏みません。(すでに意味不明)
ありがとうございます!


****************************************************************************************


第3部
17:55〜(第2部は上の控室?から見ていた登壇者が再登場)
磯:
我々は勝手にしゃべってますんで(笑)、予定より50分くらい押してます。
スタジオの現場ではよくあることなんですが、ま、ここも小一時間程度はのばせるかと。
ですから、御用のある方はどうぞご自由に退出なさってくださいね。
さて、オールアップ集で、藤本さん、コメントを求められていましたが。

藤本:
もっといろんなことを言いたかったんですが、嬉しさと寂しさで一言では言えなかったです。
隣で深田さんとか泣いていらっしゃるし。
本当に出るのが夢だった大河で、清盛に出られて幸せいっぱいでした。

磯:
ああいうシーンでアップするというのはどうなんですか?

柴田:
最終回、ああいうシーンがあって、本当は出てくれた人、みんなにいてほしかった。
一斉に撮りきるということで、本当は水の中で剣を抜いて、
水の中でみんながプクプクしていることになるんですけど(笑)
実際、剣のシーンは江の島水族の水槽の中で抜いたんですけど、
あのシーンはスタジオ収録の最後の方だったし、いろいろ感慨が押し寄せてきました。
でも、考えるとおかしいところもあって、なんで窪田くん(重盛)がいるのに、基盛がいないんだとか(笑)

磯:
清盛が高平太なのに、みんなはああいうカッコとかね(笑)

柴田:
そのことで上川さんから相談を受けて、
「清盛はこのシーン、高平太になっているんですよね。じゃあ、僕も鱸丸になって迎えたいんですけど」
って言われて(笑)
「いや、衣装替えする時間がないから、そのままでお願いします」と。
確かに高平太なのに重盛がなんでいるんだ、とかあるんですけれど、
あれはカーテンコールみたいなシーンなんです。

磯:
カメラも手持ちカメラで皆さんの笑顔を撮るというプランで。

柴田:
あれは、チーフカメラマンが撮っていて、清盛のように首座に座って見守ってくれ!と言ってあったんです。
で、そのまま清盛の気持ちになって、よかったんで、首座に座ったあと、「そのまま自由に撮って!」と
指示したら、緊張しながら、あんなふうに一人一人の方に寄っていったんです。
みんな自分のところにカメラが寄ってくるなんて聞いてないから、ビックリしながら笑顔で。

藤本:
そうですよね、聞いてないですよね!
よかった〜。自分だけ演出聞いてなかったのかと思ってました。

柴田:
窪田くんなんて、重盛じゃなくて窪田くんそのままの顔して笑ってるし。
でも、それがよかった。素の顔してカメラ見て微笑んでいるのがいいなぁと思って、
まさに現場の雰囲気だなと。

藤本:
だまされた!(笑)涙をこらえるのに必死でしたが、もっといろいろやればよかった。
さっき控室でも話していましたが、もういろいろ全部話しちゃってもいいのでは?
たとえば、双六の話とかは?(とネタふり)
双六って、ぞろ目がなかなか出ないでしょ?

柴田:
今までずっと黙ってましたが、実は、あれは美術スタッフが丹念に作ったものなんです。
双六を撮るの大変なんですよ。台本に書いてあっても、その通りの目を出すのは。
だから、重心をちょっとずらして、1が出やすいサイコロと、6が出やすいサイコロを、
あくまで出やすいだけなんですけど、作って。
振ったら6・6が出た!とか。
これはあんまり皆に言ってない。6・6のシーンが結構多かったんですけど。
松雪さんと松田さんなんか、演技しながら振って「(6・6)出た〜〜〜!」と。
もちろん演技の最中だから表情のおくびにも出さないんだけど、
「カット!」ってなった瞬間に「出た〜〜〜!すごい!!」とテンションが上がって、
「うわぁ、すごい!お疲れ様でした」ってなるんだけど、後から美術スタッフが寄ってきて
「誰にも言ってませんよね。言っちゃダメですからね」というふうにやってました。
サイコロのシーンが多くて、偶然出るまで待ってられないので、そんなふうに作ってました。

磯:
双六の盤面は芝居に合わせて作ってあるんですよね。

柴田:
あの当時のルールにのっとって再現してくださる先生がいて、作ってもらいました。
その場面にふさわしいようになってます。でも、ルールがよくわかんないですよ(笑)
いや、もちろんちゃんとルールはあるんだけど。
松山ケンイチさんと松田さんなんか、ルールをばっちり頭に入れて、もう自分で出来るレベルになって、
他の人を指導してました。
重盛にも松田さんがつきっきりで、「ここ、次はここ動かして」とか教えたりして(笑)。
(あの二人は)完全にマスターされてました。

磯:
さて、このあたりで、会場の皆さんからの質問を受け付けたいと思いますが。
(まろうさぎ注:福武ホールは、机の上に小さなマイクが内臓されていて、ボタンを押すと、
机にいたまま発言できるようになってます。
会場ギッチリで、マイクを渡す余裕もなかったので、これはいい設備でした。
後から気づきましたが、会場に入れず、会場前のホールでモニターを見ていた方々も
大勢いらっしゃいました!
やっぱりキャパが小さすぎ&清盛クラスタは熱すぎでしたね♪)

質問1:
藤本さんにお聞きしたいんですが、平家チームの中で、お互いのことを「松山さん」と呼んでいたのか
「殿」と役名で読んでいたのかお聞きしたいです。

藤本:
そうですね、殿とか、いろいろですけど。
あの、ご存じの方もいると思いますが、平家チームの中で「男気じゃんけん」がはやってまして、
その時は「殿!」と役名で言ったりしてましたね。
僕ですか?僕は・・・「忠清!」と呼び捨てでした。下っ端なもんで、残念ながら(笑)

質問2:
今回、脚本の伏線がすごくて、伏線じゃないものまで伏線なんじゃないかと思ってしまうほどでした。
皆さんから見て「この伏線はしびれた!」というところはどこですか?

磯:
脚本の藤本さんは独特のストーリーの運びをする人ですよね。なかなかいないタイプ。
普通の脚本だと(メインの?)人間の感情に寄り添うんですが、藤本さんはキャラクターをうまく使いながら
展開していって、時々、誰を中心にまわっているのか見失った頃に、あ、ここに戻ってくるのかという、
高度な脚本なので、わかると面白いんですが、わからないと入り込めない。
ここにいらっしゃる方はそういうところを面白がってくださったんだと思うんです。
伏線で言うと、最後の清盛が剣を抜くシーンは、始めた頃から藤本さんが言ってたことで、
本当は藤本さんは、オープニングで海に沈んでいく剣をタイトルバックにしたいと言っていたほどで、
それがラストで清盛が抜く!という形にしたいと希望していて。
でも、まあ、なかなか海の底の芝居は難しいから、それはちょっとと言って、
そうしたら諦めたのかなぁと思っていたら、案の定最後に出てきた(笑)
そういうふうに最初に決めたことは揺るがないところがありますね。

柴田:
伏線ってドラマの楽しみで、このドラマは同じシーンを3回くらい楽しめる。
1回目はそのまま楽しんで、10回〜20回過ぎると、それがまた別の形で出てきて、
それがすごく楽しかったんですが、それが今の質問みたいに伝わってるので嬉しいです。
例えば清盛と義朝も3回目で比べ馬のシーンがあって、それが20何回目かに、
義朝が頼朝に話すシーンがあって、繰り返されて。
でもシーンの意味が違った角度から照らし出されるという、新しい書き方だと思います。

磯:
伏線って言いますが、ふつうのドラマの伏線とは違うんですよね。
たとえばサスペンスだと後々の展開のための伏線なんですが、藤本さんの中では登場人物が
パラレルになっていて、それがその時々に表れるので、
(藤本さんの中では)伏線という感じではない。藤本さんはキャラクターをリアルタイムで
追い続けているんです。だから義朝の記憶が頼朝に跳ね返ったりしてきます。

藤本:
重盛や、ええと重盛の弟はなんて言いましたっけ?盛盛がたくさんいて忘れちゃうんです(笑) 
あ、基盛。重盛や基盛に武芸を教えていって、47話の「平家は武士ではなくなる」というのが、
それまでに(伏線が)散りばめられていて楽しかったです。

磯:
この登場人物をもう少し動かせませんか?と聞いても、藤本さんは、ここではこの人は
こういうことをしているんで、できません、と言ったり。
その回では書いていなくても、誰がその時どこで何をしているのか、分かってる人なんです。
それぞれのキャラが全部頭の中で動いているんですね。

吉松:
例えば信西が穴の底から出てきた初登場のシーンで、「新平家」を見ているとあの穴の中で
終わるシーンが出てくるし、
海賊の海戦シーンで清盛がマストに吊り下げられるのは、宮本武蔵の千本杉のシーンだし、
(柴田:それは違いますね)
さらに清盛が言う「海賊王になるぞ!」はマンガだし。
(柴田:いや、あれはそういうことじゃなくて!!)
伏線なのか、偶然なのか、オマージュなのか分からないけれど、晩年はリア王を思い起こさせて、
そうなってくると、テーマ曲の最後にサイコロの1と6が出るのも、伏線をはってるんじゃないかとか、
作ってる側も疑心暗鬼になるほどだった(笑)
いや、今聞いたら偶然だって言うけれど、そうかもしれないけれど、
たとえば「タルカス」だって、あれは火山の中からタルカスが出てきて、マンティコアと戦って、
海に消えていくという話だから、
清盛と同じですよねと、僕のブログに途中で書き込まれて、僕はそんなことは全然考えも及ばなかったから、
でも、そうか!と思って。
だからいろんなものが、計算と偶然がかみ合って膨らんだところがあったと思う。

本郷:
マジな話で言うと、信西の「俺は誰なんだ〜〜」「誰でもよ〜〜い」の登場シーンは、まさに死ぬところを
オーバーラップさせてるなというのは最初から読めたんです。
僕は、自分で藤本さんの脚本の一番そばにいると思って、藤本さんの考えていることはだいたい分かると
思っていたんだけど、清盛が暗黒面に落ちた時に、「白河法皇に復讐するのじゃ」に度肝を抜かれたんです。
清盛は「俺は誰なんだ〜」をずっと引っ張っていて、白河院への復讐を人生のテーマとしてずっと
持っているとは思ってなかった。

柴田:
信西の穴は最初からこだわってました。穴掘るの大変でしたけど。
最初は穴を探していたんですが、あるわけないし、さらに、穴掘るのを許可してくれるところないし。
結局えさし(藤原の郷)で掘ったんですが、人が入れるだけの穴を掘るのって大変なんです。
あの時は雨も降ってドロドロになってくるし。
明らかに狙って書いてるなってわかるところもありますが、気づいてない仕掛けも、たぶん一杯あります。

本郷:
「海賊王にオレはなる!」というところ、(視聴者を)鷲掴みにすると思ってたんですけど、
あれはすげー怒られましたね。なんであんなこと言うんだ!と。
「国民的マンガですよ!いいじゃん!!」と僕は思ってましたが。
僕なんか、ジャ…NHK的に言うと月曜日に発売されるあの雑誌(笑)を東大に来るときに
キヲスクであれを買うのが楽しみなくらいなのに。

柴田:
(マンガの真似とか)そういうことではなかったんですけど、なぜかそういう反応が多かったですね。
でも、そういうふうに色々な見方をしてくれたんだなと思うことが嬉しかったです。

磯:
藤本さんの脚本は説明があまりないから、いろいろ解釈していただいて、
こちらがなるほどと思うこともありました。

質問3:
Twitterでキャスティングの理由とかを話してくださいましたが、まだ言ってないキャストの方々の
キャスティング理由を知りたいです。
「平清盛」は、清盛以外の群像劇としてもとても優れていたと思っているので。

磯:
藤本さんは最初から群像劇が書きたいと言ってました。
群像劇になると、役名より人を見てもらえるかどうか、キャラクター的にキャスティングが
かぶらないようにするんですけれど、
まず松山さん―玉木さん―松田翔太さんのラインがあって、そこから決めていきました。
そうですね、先ほどから話題に出ている信西は、阿部サダヲさんにお願いしてよかったですね。
今までの信西ってずる賢いイメージだったと思うんですが、清盛に国家観を教えたのは信西であると
本郷先生も高橋先生も言っていたことから、
信西の二面性を出せる方というのがポイントでした。
阿部さんは軽妙さも出せるし策士のところも出せるし、よかった。
阿部さん自身は「いつから信西、悪になっちゃったんだろう」って言ってましたけれど。
その他は、待賢門院璋子さんや、伊東四朗さんなども、印象的です。
キャスティングは(物語の)入口ですから、それぞれをうまく演じられる方がついたなと思います。
吉松先生、好きなキャラはいますか?

吉松:
いろいろ面白かったけれど、男対男の恋愛がひっかっかって
(磯:そこ行きますか 笑)
違った側面が出てきて、あの頼長って人面白いね〜。
あと、オウムね。
(磯:オウムのキャスティングは僕じゃない 笑)
いや、今回の大河は動物の使い方が面白かったと思う。メールでやりとりする人とは、
今回猫が出ていたね、とか毎回言ってました。
オウム、よく死ぬ演技したなあって母が言ってて、いや、あれはロボットだよとか(笑)
でも、気になって聞いちゃって、翌日、すぐに「オウムどうした?」と聞いたくらい。

柴田:
オウムね。頼長の死の場面で芝居するんですが
「チチウエ」って言って、バタっと死ぬオウムがどこにいるって(爆笑)
いや、あの、動物と人間がもっと近くに生きていた時代だから、できるだけ動物を出したかったし、
また藤本さんも動物を書くのが上手なんです。
あれはオウムを研究するところが始めて、美術スタッフが作ったんです。
でも、よくあるパターンで撮影が急に早まって、模型が間に合わなくて、中途半端な模型でやったんです。
で、その後、VFXのスタッフが手を入れて完成させました。だから、美術とCGとの合作です。
声はガイドでスタッフが「チチウエ」と言って、そんな感じなのに
、國村さんが(熱演で)答えてくださって。
出来上がるまで不安でした。感動のシーンなのに、オウムで見られなくなったらどうしようって。
だから(褒めてもらえて)ホッとしてます。

藤本:
動物は我々よりギャラが高いですからね!(笑)
それに、セリフを全部言って、よし!と思ったら、後ろで鶏が鳴いたり(笑)
(柴田:そうそう。それでNGとかあったね)

本郷:
僕ね、2回しか泣いてないけど、そのうちの1回があのオウムのシーンです。
ネットでは「あの時代にオウムがいるわけねーよ!」とか言ってる人いましたけど
「いるんだよ!!」(爆笑)
オウム、ジャコウネコ、水牛って、当時の貴族の日記に出てくるんです!
磯さんのキャスティングは、すべてが素晴らしいんですが、一つだけ愚痴を言っていいですか?
この時代って仏教ってすごく大事だから、きちんと描きたいねって藤本さんとも言っていて、
だから明雲はその代表だったんですけど、最初に磯さんから「どのくらいの人ですか」と聞かれて
「大納言の息子です。偉いです」って答えたのに、
蓋を開けてみたら、キャスティングが腹筋善之介さんで(笑)
いや、腹筋さん、関西のすごい人で、いいんですけど、強訴の時に叫んで出てきた時、
「うひょ〜」と思いました。

磯:
まさかあんなに出てくる人とは思わなかった。結構そういう人多かったです。

本郷:
最後なんか、清盛とさしで話す人ですからね。

藤本:
腹筋さん、ほんと、いい方で。
阿部さんも、あの時舞台をなさってて、朝撮影して、舞台行って、撮影に戻ってまた舞台と、
そうとう大変なことをなさってました。

磯:
あの坊主頭のメイクに2時間くらいかかるんですけれど、撮って外して、またつけて撮ってとやってました。
また、(その時の)撮りきりのシーンが中国語のシーンだったり。舞台をやってるのに、
これ以上中国語(のセリフ)なんか入らない!って言ってましたけれど、
でも、中国語の入りも完璧でしたね。

質問4:
予告で流れたイメージ映像について3つ聞かせてください。
1つ目は最初に使われていた音楽がありましたが、本編では使わなくなった理由。
2つ目は、「闇が闇であった時代」という言葉がありましたが、それもなかったですよね。
3つ目は厳島でお坊さんが読経していたシーンがあったのに、本編では使われなかった理由を教えてください。
(マニアックな質問に軽いどよめき)

柴田:
ああ、それ、ご覧になってるんだ!一番最初に作ったイメージ映像ですね。
あれは吉松さんが音楽をすると発表できる前だったので、あえて違う音楽でやって、
第2弾で吉松さんのCDから使って直したんです。
それから読経のシーンは、NHKドキュメンタリーの番組から使ってるんですけれど、あれ、
本編の中で見たかった?ごめんなさいね。
(磯:あれはお坊さんの権利関係が大変だったんです 笑)
あと、「闇が闇を」というキャッチコピーは、死んだ人の霊と一緒に生きてた時代ということで、
たとえば、もののけを感じて生きているとか、確かに言葉で言ってるわけではないけれど、
本当にそう思っている時代の話だなというテイストは本編でも出せたかと思ってます。

質問5:
あの藤本さんの好きなセリフがあるので、生で言っていただけたら。
「平家は武士ではございません。殿ご自身がすでに武士ではございません」をお願いします。

藤本:
権利の問題があるんですけれど、大丈夫ですか?(と磯Pに確認後)
「平家はもはや武士ではございません。殿ご自身がすでに武士ではございません」
(生セリフ、よかった〜〜〜!しびれました!!)

磯:
セリフは今でも入ってる方ですか?

藤本:
そうですね、このセリフは入ってますね。忘れられないと思います。
まあ、俳優はセリフを忘れるのも仕事なんですけれど。

磯:
松山さんも、いまだに清盛が抜けないって言ってましたね。

質問6:
今日は愛媛から来て、9月の吉松さんのコンサートも行きました。
大河の歴史の中では30代で音楽を担当した方も多くいるんですが、
吉松さんはもっと早く担当したかったという感じはないですか?
また、この3月27日は、グレゴリオ暦でいうと清盛の命日にあたるので、
清盛に言いたいことを皆さんから聞きたいです。

吉松:
確かに大河を担当した先輩たちって30代が多いですよね。
さっきも言いましたけれど、NHKに週3回ずつ通って、1年に600曲くらい書かされるのは、
若くないとできないです。
僕はその頃、プログレ・クラッシックをやっていて、そういうことを頼まれる環境になかったけれど、
ちょうど今のタイミングで頼まれて。
その時点で言ったのが、毎週なんて出来ないよと。いや、30代、若くないとできませんよ。
僕は3回くらいに分けて130曲書かされまして、それがBOX版になってCD5枚組になったんですけれど、
5枚組って、ベートーベンが一生かけて書いたシンフォニーがおさまるんですよ。
それを1年で書かされたんで、今となっては、しまったなぁと思ってます(笑)

磯:
清盛に対して言いたいことですよね。
最終回のPVで平家会の方から「天国で清盛公も喜んでおられると思います」と言われて、
ああそうなんだと思って。
だから、清盛の描き方はこれでよかったのかどうか、聞いてみたいですね。

柴田:
お世話になりました!だけです。
平安ってそんなにドラマとして(描かれ)ないんです。僕も初めての経験でした。
でも日本の武士の始まりであり、しゃにむに生きてる時代があったことを体験できたなと思ってます。

藤本:
夢の途中で叶わなくて亡くなってしまいましたが、戦によって平和をもたらすんじゃなくて、
スポーツマンシップと似ているんですが、
戦いの先に平和があって、というのが似ているなと思ってました。
現在平和で暮らせているのは、清盛さんのお蔭です。

吉松:
不思議なんだけど、やっぱり最初心の中で、清盛って悪役のイメージがあったんだけど、考えてみれば、
信長と秀吉を足したみたいな人だよね。
どんどんのし上がっていって、晩年おかしくなって。なんで清盛の死に方だけ、負けた、
挫折みたいに言われるのか、考えたらおかしい。
このドラマは、清盛はいい人なんだと描くのかと思っていたら、それを最後に裏返して
ストンと落としたのが面白かった。
でも、信長も戦前は悪役で、家来に殺された間抜けというイメージだったんです。
だから、このドラマを機会に清盛も変わるのかなと思ってます。

本郷:
私の目の黒いうちはそんなことはさせません!(笑)
清盛に言いたいことは、常盤と恋人になるので、常盤を紹介してくれないかなぁと(爆笑)

質問7:
全50回でも盛り込めなかったエピソードや人はいますか。
スピンオフを作ってみたい!というような(会場、スピンオフという言葉に拍手)

柴田:
そうですね、いっぱいあるんですけれど、後白河の今様大会(笑)。
夜を徹して歌い続けて声がかれたという有名エピソードがあって、
貴族から下々までが集まって熱狂したので、
それは51回あったらやってみたかったなぁ。

磯:
スピンオフですか。初めの頃200名くらいのキャラクターメモがあって、
それをしぼってしぼってやってきたので、人をあげたらきりがないです。
忠清も、富士川の合戦で盛国との話もあるんですが
(まろうさぎ注:ドラマでは「殿」と一言発するだけでしたが、平家物語では忠清のことを
言葉を尽くしてかばいます)
たとえば5回の忠清と盛国の小競り合いが、48回で盛国が忠清の胸をドンと押すしぐさにつながっていて、
この二人の中で平家を支えるというのが認識としてあるんです。
リクエストの多い為朝や崇徳院のスピンオフは、ものすごいお金がかかるんで(笑)
まあ今様大会くらいなら(笑)
皆さんが、この時代を好きになって、もっと声をあげてくださると、作れるようになります。
よろしくお願いします。

吉松:
鎌倉以前の武士の意味というのが分かって面白かった。
あと、為朝、あのロボコップみたいなの(笑)は、どういう生まれでどういう育ちだとああなるのか、
知りたいよね。

本郷:
ドラマではああでしたけれど、為義って実際は暴れん坊なんです。それで出世できなかったくらいなんで。
もし、そのあたりをドラマ化するなら、時代考証はぜひワタクシに!!
でも、ほんと、カラオケ大会、おやりになったらどうですか?

柴田:
絵巻を見ると、階層が入り乱れていて、面白そうですよね。

本郷:
それと、人気があったのに名前が(今)出なくて不思議だった大炊御門経宗の方のスピンオフとかは?
あの顔芸で人気のあった。

質問8:
いつの間にか消えていて、年を取らなかった祇園女御(笑)の設定の狙いを聞かせてください。
それと、総集編が本編と違う終わり方をしたことについてもお聞きしたいです。

磯:
祇園女御については、祇園女御自身についてもよく出生がわからない人で、
しかも乙前と同一人物としたのが、藤本さんのキャラクター設定のポイントで、
乙前と一緒にした時点で年齢はウソをつかなきゃいけなくて。
(本郷:ヒアルロン酸を使えば大丈夫っすよ! 笑)
だから、役者さんとは一線をひいたところの方をキャスティングしたらいいのかなと思って、
松田聖子さんにお願いしました。
総集編について言うと、頼朝ナレではない時、どうするか考えたときに、冒頭に頼朝を持ってくるのは
おかしかったので、最後に持ってきました。
あの立柱式の場面は最終回の台本にもあったんですが、清盛の物語としてまとめる時に逆に
違和感があったので、外しました。

柴田:
総集編も総集編で難しかったですね。
清盛と頼朝が会うシーンも違って。
本編では、頼朝の中で西行から(清盛に)変わったんですけれど、
総集編では熱病にうなされている清盛が頼朝に出会うという形にして、
いろんな見方が出来るシーンだったということです。

第3部終了が18:50

しかし、まだまだお楽しみが!!


****************************************************************************
 
まろうさぎさん、ありがとうございます。
時間が推しているのにもかかわらず、
焦りの感じられないトークショー(笑)
会場設定が素晴らしかった、
本郷先生をもっと讃えよ!です(笑)

それにしても、清盛クラスタとは言っても、
ピンからキリまであって、
恐ろしくマニアックな方々がおられるのだなあと、
質問の濃さに圧倒されました。
私なんか、歴史認識は小学生レベルだし(ごめんね、小学生)
各回3回観たものの、集中力を欠いた見方をしてたんだなあと、
これでもか、と思い知らされました。
でも、誰だっけ、「世界が自分のできているものですべてできていると思うなよ」みたいなこと、
言ってましたよねえ、良い舞台だったわ(笑)
そう、マニアックな質問をしてくださったおかげで、
それにたいする答えもすべて、知らないことを教わることになったという幸せが!

まろうさぎさんの注釈も読めたし!、
信西の穴であるとか、明雲のキャスティングについてであるとか、
藤本さん、あの名セリフを生でご披露なさったんですか、とか、
でも、レポしてくださったから知れたこと、
思わず、記憶を引っ張り出して再生しましたけど、
本当に、このレポで堪能させていただきました。

平松さんがおっしゃるように、今回の大河が、
清盛の再評価の第一歩になるといいなと思います。
(清盛クラスタは全員そう思っていますよね)

レポの改行作業をしながら、
にやにやわくわくして読ませていただきました。
まだあとひとつ、レポが残っています。
嬉しいなあ。

まろうさぎさん、ジェバンニ超えたら、すでにLレベルじゃないですか?(笑)

ただひたすらに、ありがとうございます。



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