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(2011-09-29 )
もうひとつのマジガチ
『僕たちは世界を変えることができない』
切にお勧めしたい映画!
2011-09-29
『僕たちは世界を変えることができない。』予告篇
観てください。
そういうのが一番正しいと思う。
この映画のレビューとして。
もうひとつの『マジガチ』・・・
L図書にご来館くださる方々にはあらためて紹介するまでもない、
『カンボジアに学校を建てた大学生たち』のボランティアの話。
L図書は石松宏章さんから見たその活動の様子、
「マジでガチなボランティア』を、本・映画ともに紹介したし、
ドキュメンタリー映画の完成にむけて、サポーターにもなった、
公開後も(言うのはおこがましいが)応援してきた。
最初の4人の大学生のうち、「学校をたてよう!」と
みんなに提案した葉田甲太さん側から見た『もうひとつのマジガチ』は
とても興味がある、というか知らずにはいられないものなのだった。
映画を観てから読む予定だった葉田さんの原作本をひょんなことから、
映画鑑賞の前日に読んだのだけれど、とてもそれは正しい判断だった(正しいひょんなこと:笑)
本を読んで印象に残ったことはすべて、というくらい映画に盛り込まれていた。
クラブなんて大嫌いなんじゃない?というような田中甲太=葉田甲太さん(向井理さん)が、
芝山匡史(柄本佑さん)矢野雅之(窪田正孝さん)と一緒に、
ギャル男?本田充=石松宏章さん(松坂桃李さん)と出逢うことから始まるのだが、
4人がそれぞれにとても生き生きしていて引き込まれる。
窪田さんがたとえ4人一緒には無理だとしても、また一緒に仕事したいと言われたのは
こころからの言葉だろうなあと映画を観終わってしみじみ思った。
そして、向井理さんが、この映画に関しては舞台挨拶で、感極まって泣かれたということも。
カンボジアでその歴史にまつわる記念館や場所を見学するところについては、
フィクションではなく、ドキュメンタリー、という様相を呈している。
だから、こちら側に彼らの思いと、カンボジアの近代歴史の闇と悲しみと残酷さがダイレクトに伝わる。
ガイド役を演じているのは、実際に葉田さんや石松さんを案内されたご本人のブッティさん。
このブッティさんが果たす役割はとても大きい。
カンボジアの歴史を大局的に語ってくださり、なおかつ、ご自身の体験としても語ってくださる。
カンボジアではポルポト派の大粛清・大虐殺の時代に、なんと国民の300万に近いひとが殺されたという。
ブッティさんにもその例外ではなかったのだ。
この映画は4人の学生がどんなふうに学校をたてたか、
そこに力点を置いているのはもちろんだが、
カンボジアを知ってほしい、という気持ちも切実に伝わってくる気がする。
ポルポト派の大虐殺、地雷原、そして貧しさゆえのエイズ蔓延、学校に行けない子ら・・・。
それらを出来るだけ、言葉ではなく、エピソードとして取り上げているのがいい。
甲太が繰り返し語り反芻する『自分はなにもできないしょーむない人間』、
その人間が目的にむかうときの挫折と絶望とがむしゃらな気持ちと。
きれいごとに終わらせない、リアルな若者の素顔を描ききって見事だ。
そして、医学生が始めたボランティア活動ということで、
大学生活にもきちんと目を向け、
そこでよりよき大人である指導者に『真のボランティアとは何か』を教わる場面が出てくる。
これはカンボジアへのスタディツアーとともに、じっくり観てもらいたい場面だ。
ちなみによりよき大人である指導者には阿部寛さんが登場、
味のある大人役にはリリー・フランキーさんが登場なさっていて、
異なる世代の視点を得ていて、実にいいアクセントになっている。
アクセントと言えば、村川絵梨さんが素敵だ(セクロボのかずみちゃんですよ!)
主人公達4人、それぞれの役者さんがとてもいいのだけれど、
本田(石松さん)を演じる松坂くんがとってもいい!
石松さんってほんとにこんな感じのひとなんだろうなあって思う。
でもって、芝山(柄本さん)がひとなつっこい石松さんのことを、
『ハードルをすいすい飛び越えてくるんだからなあ』というようなことを言うのだが、
これには笑ってしまった^^
そうでしょうね、石松さんはそれだからこそ、GRAPHISを成功させたんでしょうね^^
甲太(葉田さん)が学校にこだわるのはなぜか、
そのあたりが映画で描かれているので、
やがて石松さんたちとのGRAPHISを離れ、
現地で作られたバッグやアクセサリーを輸入、フェアトレードというか、
利益を上乗せして販売し、その利益を学校運営資金として送る、
という方に行かれたのは納得できたし、
この映画を上映している映画館で、カンボジアの啓発イベント?を行っておられるのも
すごく素敵だと感動した。
商業映画とこんなかたちでタイアップするのって、素晴らしすぎるではないか?



また、キャストを劇場に呼ぼう! というキャンペーンもあって、
こちらはみんなが手書きで参加できるのが、とってもあったかいなあ、
この映画にはお似合いだなあとうれしくなったのだった。

石松さんはボランティアの間口を広げた。
大学生が気負うことなく、ボランティアに参加し、
継続して活動できる場を作った。それは素晴らしいことだ。
葉田さんは原作に数え切れないくらいのカンボジアの写真を掲載、
大学生がカンボジアに学校をたてた?という好奇心を、
カンボジアを知ることへ誘導して見事だと思う。そして、
そこまでしなくても、というくらい自虐的な下ネタ関係連発で、
読者の気後れする気持ちを蹴散らそうとしているかのようだ。
こんな僕でもそう思うんだ、だから自分より他人を笑わせることのほうがきっと幸せ、
というようなことを優しく教えてくれているのではないかと思う。
映画のなかではリアルに恐ろしく悲しい場面も出てくる。
だけど、知ってほしいと思う。
そして、この映画は出来る限り、多くのひとが観て欲しい。
できれば、すべての小学校中学校高校大学をまわってほしいくらいだ。
映画の中で歌われる曲がとても素敵だったので。
そう、『マジガチ』でも歌われていた《青空》、
やっぱり重要な曲として、歌われていた。(誰が歌うかはお楽しみ^^)
向井理主演 映画「僕たちは世界を変えることができない。」主題歌PV
銀杏BOYZ せんそうはんたいツアー 僕たちは世界を変えることができない